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2019.03.15
最近のアメリカ食品市場では植物性タンパクを使った製品が増えている。アメリカには全く動物性の食品を食べないヴィーガンや、卵だけ食べる、あるいは動物性のものでも一部は食べると言ったベジタリアンの人達がいて、そのための食品が従来から販売されている。しかし最近は普通に肉を食べる人でも、時には肉を食べなかったり、1週間に1日は肉製品を食べないといったフレキシタリアン(柔軟なという意味のフレックスとベジタリアンの一部を取った造語)が増えている。その理由は、肉を多く食べていると健康によくないと言われたり、畜産が環境問題にかなり悪い影響を与えていると言われたりしており、肉の消費を減らす人が増えているからである。動物性タンパクの食品で植物性タンパクに置き換えらるものは、牛肉、鶏肉、ポークなどの肉製品、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、卵および卵製品で、これらの代替え製品が多く出されている。
アメリカで消費量の最も多い動物性タンパクである牛肉で作られるハンバーガーの代替え製品はかなり前からベジ(野菜)・バーガーとして出されている。その原料には以前は大豆タンパクが主として使われていたが、最近は豆タンパクやその他の成分を使ったものが増えてきている。例えば、Morningstar Farm社の “Grillers Prime Burgers”(写真1) は、小麦グルテン、植物油、単離大豆タンパク、大豆粉、卵白で作られている。
Amy’s Kitchen社の “California Veggie Burger”(写真2) は、オーガニックのマッシュルーム、オーガニックのオニオン、オーガニックのバルガー麦、オーガニックのセロリ、オーガニックのキャロット、オーガニックのオーツ麦、水、オーガニックのクルミ、小麦グルテン、オーガニックのポテト、高オレイン酸ベニバナ油、および/またはヒマワリ油、海塩、オーガニックのガーリックを使用して作られており、この製品自体はオーガニックの認証を受けていないものの、オーガニックの野菜から作られていると表示されている。この処方でクルミが使われていることは興味深い。
かなり前から出されているGardenburger社のベジ・バーガーの一種である “Spicy Black Bean Burgers” は、調理した黒豆、調理した玄米、オニオン、植物油、コーン、大豆粉、トマト、粉末オニオン、小麦グルテン、卵白、バルガー麦、グリーン・チリなどで作られており、また同社の他製品である “Original Gardenburgers” (写真3)は、調理した長粒玄米、マッシュルーム、抑えつぶしたオーツ麦、モッツァレラチーズ、オニオンから作られており、これらのハンバーガー代替え品は完全な植物性ではないものの、一定数のベジタリアンやフレキシタリアンには受け入れられている。これらの例は大豆タンパクを使わなくてもハンバーガーの代替え製品は作れることを示している。最近伸びているBeyond Meat社の “Beyond Burger”(写真4) は、ベジタリアンだけではなく、フレキシタリアンにも人気が高く、購入者の70% がフレキシタリアンと推定されている。その成分は単離豆タンパク、カノーラ油、ココナッツ油、(これ以降2% 以下の成分)竹からのセルロース、メチルセルロース、ポテトスターチ、天然フレーバー、マルトデキストリン、イースト・エキス、塩、ヒマワリ油、植物性グリセリン、乾燥イースト、アラビアガム、柑橘エキス(保存料)、アスコルビン酸(色の保存料)、ビート・ジュース・エキス(色素として)、酢酸、クエン酸、修飾食用スターチ、アナットー(色素)で、先に紹介した3社の処方とはかなり異なっている。
“Beyond Burger” は、店の肉売り場で販売してもらうようにして、肉を食べる人にも試してもらい、肉と変わらないほどおいしいことをアピールして成功している。今では全米469か所のTGI Fridays、その他のレストランのメニューにも登場している。カリフォルニア州にあるImpossible Foods社の “Impossible Burger”(写真5) は他社の製品と異なり、ユニークな成分、植物性のヘムを使用している。ヘムは鉄分を含む赤い血の成分で、牛肉の赤身の色や味を発現する。そのためにハンバーガー・パテは牛肉と同じ赤い色をし、肉汁にも血のような色がつく。

(写真5)のミニハンバーガーはスライダーと呼ばれ、White Castleのチェーンの一部で提供されたが、好評のため全店舗で販売することにしている。この商品は従来業務用としてのみ販売されていたが、最近小売用としても発売されることが発表されたばかりである。牛肉の代替え製品は殆どが挽肉製品の代替え製品で、その理由はステーキなどの固形の肉質を出すことが難しいからである。Vega USA社から出されている “Vegan Black Pepper Steaks”(写真6)のようなミートボールも多く出されている。 これは大豆タンパクを使った製品である。
鶏肉の代替え製品はその繊維質の肉質を割合にうまく出す技術があるので、多くの鶏肉代替え製品が出されている。Light Life社のチキン代替え製品、“Smart Tenders”と “Smart Wings”(写真7)などがその例である。ターキー肉の代替え製品も出されており、Vega USA社はヴィーガン用の大豆タンパクで作った丸ごとのターキー(1.8㎏) “Vegan Whole Turkey”(写真8)を販売している。これはサンクスギビングのディナーに食べられるものである。Gardein社は種々の肉代替え製品をかなり前から出している会社で、ターキー代替え商品では調理メニュー製品として“Stuffed Turk’y”(写真9)などを出している。

デリ肉の代替え製品も多く販売されているが、中にはあまり美味しくない製品もあり、まだまだその技術改良が望まれるところである。しかし、Beyond Meat社が出した “Beyound Sausage”(写真10)は簡単な処方であるが、かなり本物のソーセージに近いもので、そのものとしても結構おいしい。(グリーンビーンズのタンパク、ソラマメのタンパク、米タンパクを使い、ケーシングには海藻からのアルギン酸塩を使用している。)
シーフードも代替え製品がかなり見られるようになった。Gardein社の “Fishless Filets” (写真11) は質感をつけた大豆タンパク、スターチを中心にして作られており、オメガ-3-脂肪も加えられている。Gardein社はカニ肉代替え製品 “Crabless Cakes” も出している。Sophie’s Kitchen社は、カニ、魚、エビ、ロブスター、サーモン、ツナ、貝柱など多くのシーフードの代替え製品を出している。
例えば、ツナ代替え製品として豆タンパクと豆スターチで作った “Vegan Toona”(写真 12)を、またエビ代替え製品やホタテ代替え製品としてこんにゃく粉を中心にして作った“Breaded Vegan Shrimp”(写真13) と “Breaded Vegan Scallop”(写真14) を出している。New Wave Foods社はミクロとマクロの藻類から作ったエビの代替え製品 “Raw Shrimp” と “Crispy Shrimp” (写真15) をレストラン向きに販売している。


(写真16)のような牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品の代替えとなる植物性の製品市場はアメリカでは大きな市場である。Grand View Research社によると、全世界での市場は2024年には350億6,000万ドルに達するとされている。植物ベースの牛乳代替飲料は、米国で21億1,000万ドル規模になり、2012年と比べると61% の成長である。牛乳代替飲料市場シェアの内訳はアーモンドミルクが64%、大豆ミルクが13%、ココナッツミルクが12% だが、ペカンミルク、キノアミルクといった新しい種類も増えて、消費者は牛乳代替飲料の購入選択肢を益々広げていっている。
卵の代替え製品はベジタリアン用にすでに数種類の製品が市場にある。その内のEarth Island社の “Vegan Egg”(写真17) は粉末製品で、以前は海草を主成分として作られていたが、今は大豆タンパクを使っている。Just社の “Just Egg”(写真18) はマングビーン(緑豆)タンパクを使っている。卵を主成分として作られるマヨネーズも代替え製品がいくつか出されている。
Follow Your Heart社の”Vegenaise”(写真19)の原材料は、菜種油(67%)、水、玄米シロップ、アップル・サイダー・ビニガー、大豆タンパク(1%)、海塩、粉末マスタード、濃縮レモンジュースである。Unileverはマヨネーズでは、”Best Foods”のブランド名の製品を出しているが、ビーガンのために卵フリーの製品も出している。今回は植物性タンパクを使った製品を紹介したが、今後も健康志向、環境問題への意識の傾斜、フレキシタリアンの増加でさらに増えていく傾向があると考えられている。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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