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まめ知識/まめ知識トップ/売上トップ10の新商品から学ぶ
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2018.11.15
このコラムの昨年度の第2回に同じタイトルでトップ10の新商品を紹介したが、2017年度のランクが発表されているので、再度これを取り上げてみた。2017年度には1000以上の新しい製品が市場に出されているが、ほとんどは消えてなくなっている。新製品の49% は小さな会社から出されているものである。IRI社が発表した2017年の新製品のトップ10ペース・セッター・ブランドによると、売上額で次の10ブランドがリストされている。これらの新製品は市場で生き残っただけではなく、売上を一挙に大きく伸ばしたもので、自分自身にあった嗜好製品を求めるという最近の消費者ニーズを捉えた製品が多い。
200のペース・セッター製品ではイノベーティブな小さな会社が考え出して、リスクを取って出しているものが多い。このペース・セッター新商品ブランドのランクはIRI社が毎年発表しているもので、特にトップ10は消費者の嗜好を示している製品である。
アイスクリーム製品トップの “HALO TOP”(写真1) は健康志向の市場でも同時に少しだけ贅沢を楽しみたいという消費者の心を捉えたもので、アメリカで最も売れているアイスクリームである。製品は1パイント(473ml)サイズのみで、25 種類のユニークなフレーバー製品でタンパク質が20g入っており、カロリー数は280 – 360となっている。これは、プレミアム・アイスクリーム “Ben & Jerry” に比べて半分くらいである。牛乳を使わずココナッツミルクを使ったデイリー・フリーの製品も14 種類出されており、消費者の興味をいっぺんに引き付けて売上を1年間で3億4,220万ドルとしてペース・セッターの飛び抜けた新製品となった。SNSでも取り上げられることが多く、特にミレニアム世代はこうした製品に興味をもっている。この製品をだしているEden Creamery社は2年目には25万ドルの負債で破産の寸前まで行っており、包装デザインから処方までやり直して、一挙に業績をあげている。

2位の “Good Thins” (写真2)クラッカーはKraft Heinz社の “Nabisco” ブランドで出された新製品である。ポテト、米粉、コーン、ヒヨコマメ、オーツ麦を使った薄いクリスピーな食感のクラッカーである。クリスピー(パリパリ感)はアメリカで求められている食感である。普通のクラッカーよりも60% 脂肪の少ない低脂肪製品や、グルテン・フリー製品など11種類の製品を出しており、消費者の異なった嗜好に合うようにしている。

Dunkin’ Donutsが出したアイスコーヒー(写真3)は現在アメリカの飲料市場で伸びているカテゴリーであり、店で出しているアイスコーヒーをボトルにして出したもので、“Original”, “Mocha”, “Espresso”, “French Vanilla”, “Cookies & Creme” の5つのフレーバーが商品化されている。このアイスコーヒーはアラビカ・コーヒーを使い、本物のミルクと砂糖を使った品質の高いものでクリーンラベル製品である。製品の流通はCoca-Cola社が行っている。

アメリカのボトル水の市場は長い間伸び続けており、とうとうソフトドリンクの出荷量を超えるくらいまでになった。アメリカの水道水は地域により、特に都会の水道水は美味しくないところが多い。それに加えて街中を歩く人や、旅行者を見るとボトル水を持ち運びしている人が多い。ボトル水はアメリカの生活に欠かせないものとなっている。しかし最近は、何も味もないボトル水には飽きている消費者が増えてきており、Nestléの “Splash” (写真4) はボトル水の “Life Water” に弱い甘味とフルーツ・フレーバーを付けたもので、こうした消費者の傾向を捉えた製品である。
消費者はボトル水でも変わったプレミアム製品を求めており、PepsiCoはプレミアムのボトル水 “LIFEWTR” (写真5) を出した。これは700mlの大型のボトルで、pHのバランスが6.4 – 7.4に調整されており、電解質が含まれている。この製品のユニークなところは、製品の包装のデザインを多くの若いデザイナーにさせていることで、1年数回3人のデザイナーを選び、新しいデザインを出している。
Campbell Soup社は “Smart One” ブランドでダイエット用の冷凍ミール製品を出している。この製品“SMART MADE” (写真6)のセールスポイントは、品質の高い材料を家庭と同じ調理方法を用いて調理したという点であり、 “Inspired by You” というキャッチフレーズを使って発売し、ヒットしている。包装には使っている材料の写真をデザインに使い、家庭で作る料理と同じような感じにしている。いわゆるクリーン・ラベル製品で、発音ができないような成分は使っていないと書いている。これも最近の消費者が求めている傾向であり、それに合わせることで売上を伸ばしている。メニューは19種類もそろえ消費者の幅広い嗜好を考えている。
Hershey社が出した “Cookie Layer Crunch” (写真7) は最近の消費者がクランチー(パリパリ感)な食感を好む傾向にあるため開発された商品である。中にはスムーズなフィリングと少しクランチーなクッキー・ビッツが入っている一方で、外側はクランチーなチョコレートで固められており、食感のコントラストが楽しめる商品となっている。

Hillshire Farmが出したスナック製品 “Hillshire Snacking” (写真8) は、この会社のデリ製品(ナッツ、チーズ、クラッカーなど)17種類のものから2種類~4種類を組み合わせて作ったスナック製品で、スナックとしても軽いランチとしても利用できる。包装も中に入っているものが見えるようにして、買う際にはいちいち中身が何か表示を読む必要もない。他の会社が同様な製品を出しているが、包装を少し大きめにして目立つようにしたところもよく売れている理由である。
Campbell Soup社はスープの売上の伸びが思わしくないので、色々な試みをしているが、新しい商品として “Well Yes!” (写真9) を出した。スープの成分には身体にいい野菜や肉を使い、合成フレーバー、合成色素、遺伝子組換え成分などは一切使わず、また缶詰の缶にはBPAが使われていないものを使用して、最近の自然、有機食品の流れにあった製品にしている。塩分を控えめにした “Lightly Salted” が3種類、“Protein” が5種類であり、その“Protein”のうち2種類は豆からのタンパクを使用しておりベジタリアン商品である。さらにベジタリアンの製品を5種類とベーガン用の製品を2種類出している。プラスチック製容器の製品はどこにでも持ち運びでき、そのまま電子レンジで加熱ができるため、“Sipping” スープとして液状の形態で販売されている。味も非常に良い評判を受けている。

Kraft Heinzの “Cracker Barrel Macaroni and Cheese” (写真10)は、“Kraft” ブランドの定番製品である。もともとはイギリスで昔からあったメニューであるが、Kraft Foodが1937年に簡単に作れる “Macaroni & Cheese” としてマカロニと粉末チーズが入った製品を出して一挙にヒットし、その後、「マック・アンド・チーズ」として親しまれ、アメリカ人のコンフォート・フードと呼ばれるようになった。Kraft はマカロニ・アンド・チーズをより多くの大人にも食べてもらおうと、ナチュラルチーズのブランドである “Cracker Barrel” 製のチーズを使ってアップスケールを行った。その後マカロニ・アンド・チーズは大人にも受けてヒットしている。

こうしたヒットした製品は大手で流通力を持っているところが多いが、トップの “Halo Top” のアイスクリームのように消費者の心をつかめば、大きな成功を得ることができることを示している。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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