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2019.08.19
最近、スーパーフードという言葉がよく使われている。スーパーフードという言葉はこの10年くらいアメリカでよく使われるようになってきたが、特に定義があるわけではない。栄養成分が多く身体にいい食品をスーパーフード、スーパーフルーツなどと呼んでいるので、非常に多くの食品がこのカテゴリーに含まれる。こうした呼び方はマーケティング目的のものであるが、より健康的な食品を食べようという最近の健康志向市場で注目されているものである。アメリカにはジャンクフードが多くあるが、それに対してスーパーフードは最近の機能性食品とも重なり合って、健康的な食生活をするための食品としてよく使われている。スーパーマーケットや本屋にはスーパーフードの本も多く出されている。スーパーフードとしてはオメガ-3脂肪の多い魚、ハーブやスパイス、多くの野菜、果物、ナッツ類、全粒穀類、種子類、海草、ティーやコーヒ-、ヨーグルト、チーズなどの乳製品など、多くの食品が挙げられている。
こうしたスーパーフードはそのまま生で食べられたり、料理に使われたりするものが多いが、加工食品として販売されているものも多くある。例えば、野菜のケールは最近までスーパーフードのキングともいわれて、ルテインや抗酸化のビタミンA、食物繊維が多く、更にはカルシウムを骨に取り入れる役目をするビタミンKを多く含み、カルシウムの吸収が牛乳のカルシウムより効果的であると言われている。スーパーマーケットの野菜売り場にたくさん並んでいるが、この緑色野菜は葉が固く、細かく切ってサラダにするか、調理を長くしなければ食べにくい野菜である。これを乾燥したものが、Rythem社の “Kale Chips”(写真1)である。この会社は数年前にこれを初めて出してヒットしており、他社も同様な製品を出している。パリパリした食感で食べやすいもので、スナックとしても、あるいはサラダのトッピングとしても使える。
“Original”、 “Kool Ranch”、 “Zesty Nacho”, “Honey Mustard”、 “Garlic & Onion”、 “Mango Habanero”、 “Spicy Jalapeno” のフレーバーで出している。ブロッコリ、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、大根、小松菜、白菜、チンゲン菜などのアブラナ科の野菜は抗ガン、抗炎症、抗酸化活性があるとされるフィトケミカルが含まれているスーパーフードである。特にブロッコリ、カリフラワーにはイソチアシアネートと呼ばれる抗ガン作用のある物質、ビタミンK、葉酸、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンCが多く含まれている。
最近カリフラワーが注目を浴びており、米の代替え製品として“Birds Eye” ブランドの “Riced Cauliflower” (写真2)のような製品や、クラッカーやプリッツェルなどのスナック製品に加えられたりしている。最も興味あるのはカリフラワーを使った冷凍ピザ布地(Caulipower社の “Pizza Your Favarite Vegetable”(写真3)) で、主成分にカリフラワーを使い、玄米粉、コーンスターチ、タピオカなどで作っている。現在では、このクラストで作った冷凍のピザを “All Natural Uncured Pepperoni Pizza”、 “Veggie Pizza”, “Three Cheese Pizza”、 “Margherita Pizza”、 “All Natural Uncured Turkey Pepperoni Pizza” の5種類のフレーバーで出しており、その他にもトルティーア、鶏肉のから揚げのパン粉にカリフラワーを使ったものなど、製品拡張をしている。こうした製品は低炭水化物ダイエットをしている人が利用している。カリフラワーだけでなくブロッコリも使えるがブロッコリは緑色なのでその使用製品は限られてくる。
最近、スーパーフードとして売り上げが伸びているのはスイートポテトである。スイートポテトには多くの種類があり、以前は水っぽいスイートポテトが多かったが、最近は甘くて日本のサツマイモのようなスイートポテトが増えている。スイートポテトにはビタミンA、ビタミンC、ベータカロチン、カリウム、葉酸、食物繊維、ビタミンB類、マンガンなどが豊富に含まれており、最も健康的な炭水化物食品といわれている。これを使った製品には普通のポテトをスイートポテトに替えたチップス製品が多い。最近PepsiCo社が買収した “Bare” ブランドの “Sweet Potato Chips”(写真4)はその一例である。
紫色のスイートポテトもあり、それを使った “Purple Sweet Poteto Chips”(写真5)もある。幼児用食品を出すSprout Foods社は幼児用のパフのスナック製品 “Curlz” (写真6) をスイートポテトで作って出している。冷凍フレンチフライでもスイートポテトを使った製品も出されている。アメリカではスイートポテトの売上は最近伸びてきており、より健康的なスーパーフードと位置づけされているが、日本の焼き芋もそういった意味ではスーパーフードである。

全粒穀類、特にオーツ麦は可溶性食物繊維であるベータグルカンが多く含まれており、コレステロールを下げ、心臓病のリスクを下げる機能があり、その健康効能の表示も認可されている。オートミールやスナック製品として多くの製品が出されている。古代穀類や種子類もスーパーフードとされており、よく知られたものではキノア(キヌア)やチアシード、ヒマワリの種などがある。TeeChia社はこうしたスーパーシードを使った “TeeChia” ブランドのシリアル “Sustainable Energy Cereal – powered by super seeds”(写真7)を出している。この製品には “Cranberry Apple” と “Blueberry Dates” があり、“Cranberry Apple” には、挽いたオーツ麦、有機のキノアの種、デーツ、ローストしたアーモンド、有機の挽いたチアシード、有機の挽いた亜麻の種、有機のアマランス、有機の乾燥リンゴ、有機のカボチャの種、有機の乾燥クランベリー、有機のシナモン、有機の生とローストしたラモン(メキシコのユカタン半島に自生する木)の種、天然リンゴ・フレーバー、天然クランベリー・フレーバーが使われており、ほとんどがスーパーフードで、エネルギーを維持できるシリアルである。
フルーツの多くはスーパーフードであり、スーパーフルーツとも呼ばれているが、これらを使った数ある製品の中で特に興味を惹くのはSmart Fruit社の社名ブランドの濃縮ジュース製品である。この会社は有機のスーパーフルーツやスーパー野菜をピューレにしてボトルに入れて11種類の製品を販売しているが、その中でも “Superfruit Allstar”(写真8)は、アサイ、ブルーベリー、ザクロ、ペア(梨)、パイナップル、ゴジベリー(クコの実)のピューレ、ガラーナのエキスを混ぜたもので、“+Power” としてエネルギーの出る濃縮ジュースであるとしている。この製品には押し出すポンプがついており、カップにそれで押し出し、水と氷で薄めてジュースとして飲む製品となっている。Thrive Market社が出している “Superfruit Spread”(写真9) はアサイベリー、モレロ・チェリー、ザクロ、赤ブドウから作ったもので、抗酸化剤が多く含まれたジャム製品である。

マッシュルーム、豆類、プロバイオティックスなどもスーパーフードに入れられており、健康のためにこうしたものが食されている。サプリメントには究極のスーパーフードともいえる製品が出されている。例えば、Greens Plus社のサプリメント “Superfood Raw”(写真 10) は、自社ブレンド(バーレイ麦の葉、小麦の葉、アルファルファの葉、オーツ麦の葉、タンポポ、ステビアの葉、赤ビーツのジュース)、海草ブレンド(スピルリナ、クロレラ、ドナリエラ(緑藻)、ダルス(海草))、高ORAC(注*)スーパーフルーツ・ブレンド(リンゴの食物繊維、アサイ・ベリー、粉末アセロラ・ジュース)(以上の成分のほとんどのものが有機)、乳製品フリーのプロバイオティックス・ブレンド(乳酸菌Acidophilus、 乳酸菌Casei、 乳酸菌 Plantarum, 乳酸菌 Rhamnosus、 ビフィズス菌Breve, ビフィズス菌 Longum、 フラクトオリゴサッカライド(プレバイオティック))が入っており、ステビアで甘味をつけている。これには4サービング(カップ2杯分)以上のフルーツや野菜に含まれるビタミン、ミネラルが入っており、25億のプロバイオティックスの腸内菌が入っており、身体の毒を排除して、健康的に年齢を重ねることが可能となり、同時に、免疫性も高めることができるとしている。(注*:ORACは酸素ラジカル吸収能を示す値)このように多くのスーパーフードを使った種々の製品が販売されている。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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