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2019.09.17
アメリカにはピーナッツ好きの人が多い。ピーナッツはアメリカの食生活の中で大きなウエイトを占めている。しかしアメリカが世界で最も多くピーナッツを生産しているわけではない。世界食糧機構 (FAO) によると、世界のピーナッツの生産量は中国が最大で年間1,669万トンと、2位のインド(686万トン)、3位のナイジェリア(303万トン)を大きく引き離している。アメリカは4位で254万トンである。アメリカではジョージア州が最大の生産地で全体の約半分を生産し、フロリダ、アラバマ、テキサス、サウスカロライナ、ノースカロライナなど、アメリカ南東部と中南部の州で生産されている。カーター元大統領がジョージア州出身でピーナッツ農家であったことはよく知られている。バージニア州から大統領になったトーマス・ジェファーソンもピーナッツ農家であった。ピーナッツはもともと南アメリカの原産で、土の中でできるのでグランド・ナッツとも呼ばれている。
ウィキペディアによると、ペルーにある遺跡から7600年前のピーナッツの鞘が多数発掘されており、人類の歴史上非常に古くから食べられていたものであることが分かる。
アメリカに入ってきたのは植民地時代で、当初は主に家畜の飼料として使われていた。人間の食料として食べ始められたのは1930年代で、アメリカ農務省が栽培を増やし、食料として食べるように勧めるプログラムを行い、次第に色々な形で食べられるようになった。
ピーナッツは一般的にはナッツ類として同じように考えられているが、木にできるナッツ類とは全く異なったもので、マメ科の植物でLegume(レグーム)と呼ばれている。ピーナッツで最も心配されるのはピーナッツ・アレルギーで、特に子供に多く、アメリカ・アレルギー・喘息・免疫学会(American College of Allergy, Asthma and Immunology)によると、アメリカの子供の2.2% がピーナッツ・アレルギーであるとしており、2010年から比べると21% も増えているという。ピーナッツ・アレルギーは大人になってもそうである人が多いが、子供の時にアレルギーであっても20% の子供は、大人になるとアレルギーでなくなるとしている。以前は子供たちのランチメニューとして最も人気のあったピーナッツバター・アンド・ジェリー・サンドイッチ (PBJ&S) (後述)であるが、最近ピーナッツ・アレルギーが増えて来ていることを受け、学校への持参を禁止する学校区が多くなっているそうである。アレルギー症状で激しいものはアナフィラキシーと呼ばれ、すぐにエピネフィリンという注射で処置をしなければ死亡に至ることもある。ピーナッツ・アレルギーではアナフィラキシーを起こす例が多いとされている。
アメリカ以外の生産国ではピーナッツは主に搾油されピーナッツ油として料理などに使われるが、アメリカでは、ピーナッツ油の消費は少なく、アメリカ農務省のデータでは年間約100万トン前後で、最も多い食料用油として大豆油の年間生産量が1億1千万トン以上であるのに比べて非常に少ない。これは他の植物油が安く、ピーナッツ油の値段が高いことがその理由である。ピーナッツ油はモノ不飽和脂肪酸であるオレイン酸とジ不飽和脂肪酸であるリノール酸が多く含まれており、飽和脂肪酸が少なくそのバランスがいい事や、ビタミンEさらに抗酸化剤であるレスベラトロールも豊富に含まれることから、他の飽和脂肪酸の多い油に比べてより健康的であると言われている。酸化安定性もよく、発煙温度も高いことからフライ用油あるいはクッキング油として使われている。
ウィキペディアによると、ペルーにある遺跡から7600年前のピーナッツの鞘が多数発掘されており、人類の歴史上非常に古くから食べられていたものであることが分かる。
アメリカに入ってきたのは植民地時代で、当初は主に家畜の飼料として使われていた。人間の食料として食べ始められたのは1930年代で、アメリカ農務省が栽培を増やし、食料として食べるように勧めるプログラムを行い、次第に色々な形で食べられるようになった。
ピーナッツは一般的にはナッツ類として同じように考えられているが、木にできるナッツ類とは全く異なったもので、マメ科の植物でLegume(レグーム)と呼ばれている。ピーナッツで最も心配されるのはピーナッツ・アレルギーで、特に子供に多く、アメリカ・アレルギー・喘息・免疫学会(American College of Allergy, Asthma and Immunology)によると、アメリカの子供の2.2% がピーナッツ・アレルギーであるとしており、2010年から比べると21% も増えているという。ピーナッツ・アレルギーは大人になってもそうである人が多いが、子供の時にアレルギーであっても20% の子供は、大人になるとアレルギーでなくなるとしている。以前は子供たちのランチメニューとして最も人気のあったピーナッツバター・アンド・ジェリー・サンドイッチ (PBJ&S) (後述)であるが、最近ピーナッツ・アレルギーが増えて来ていることを受け、学校への持参を禁止する学校区が多くなっているそうである。アレルギー症状で激しいものはアナフィラキシーと呼ばれ、すぐにエピネフィリンという注射で処置をしなければ死亡に至ることもある。ピーナッツ・アレルギーではアナフィラキシーを起こす例が多いとされている。
アメリカ以外の生産国ではピーナッツは主に搾油されピーナッツ油として料理などに使われるが、アメリカでは、ピーナッツ油の消費は少なく、アメリカ農務省のデータでは年間約100万トン前後で、最も多い食料用油として大豆油の年間生産量が1億1千万トン以上であるのに比べて非常に少ない。これは他の植物油が安く、ピーナッツ油の値段が高いことがその理由である。ピーナッツ油はモノ不飽和脂肪酸であるオレイン酸とジ不飽和脂肪酸であるリノール酸が多く含まれており、飽和脂肪酸が少なくそのバランスがいい事や、ビタミンEさらに抗酸化剤であるレスベラトロールも豊富に含まれることから、他の飽和脂肪酸の多い油に比べてより健康的であると言われている。酸化安定性もよく、発煙温度も高いことからフライ用油あるいはクッキング油として使われている。



ピーナッツバターを使った拡張製品も出されている。“Jif” ブランドからは、ピーナッツバターに乳化剤を加えて空気を入れて軽くした “Jif Whips”(写真5) のスプレッド製品やビーナッツバターを挟んだバー製品 “Jif Power Ups”(写真6) など、“Skippy” ブランドからは、ピーナッツバターを丸いクラッカーの殻に入れた一口サイズのスナック製品“PB Bites”(写真7)と、PBJ&S を丸めて小さくした一口サイズの “P.B. Jelly Minis”(写真8) を出している。



ピーナッツは殻付きのままローストしたもの、ローストして殻から出して缶詰、あるいは瓶詰した製品、さらには他のナッツとミックスしたスナック製品、種子類、乾燥果物、チョコレート、穀類などと混ぜたトレイル・ミックス製品(2017年の12月のこのコラムで紹介している)として販売されている。アメリカで販売されているスナック製品に使用されているナッツ類の3分の2はピーナッツである。このようにピーナッツ製品はピーナッツ・アレルギーでないアメリカ人の家庭にはほとんど置いてあるくらいポピュラーで、アメリカ人の食生活の中に需要な位置を占めている。テキサス州ピーナッツ生産者協会によると、アメリカ人は一人当たり1年に1.36kgのピーナッツバターを消費し、アメリカ人の子供は高校を卒業するまでに、1,500食のPBJ&Sを食べるとしている。部分的に脱脂されたピーナッツ粉は最近アメリカでグルテンフリーの製品が増えていることから、グルテンフリー製品を作るためにも使われている。ヘーゼルナッツを使ったスプレッド製品は以前からヨーロッパ、アメリカで販売されているが、最近はアーモンド、カシュ―ナッツなどを使ったナッツバター製品が増えており、ピーナッツバターやナッツバターは植物性タンパク源として消費者の関心が高まっている。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
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