まめ知識/まめ知識トップ/パレオ・ダイエット
2017.10.16
ダイエット産業は日本でもそうだがアメリカでは巨大な産業である。ダイエット産業はスポーツジムからサプリメント、医療に至るまで幅広い産業で、特に最近のように肥満の人が増えた社会ではダイエットをしたいという人はあらゆる手段を模索する。
アメリカでは多くのダイエット法が考えられては次第に消えてなくなるが、常に新しいダイエット法が考え出されている。つい最近まではアトキンス・ダイエットという炭水化物をほとんど食べないダイエット法、それに代わった低炭水化物ダイエットがはやっている。
このローカーボ・ダイエットと呼ばれるダイエット法に加えてアメリカで最近はやっているダイエット法にパレオ・ダイエットがある。その論理は、人間は大昔の狩猟時代には現在飲まれている牛や羊の乳や乳製品、あるいは農作穀類、加工食品特に加糖食品などは食べなかった。現代に作り出された食品は人間の身体には合わないもので、肥満、糖尿病、ガン、その他の病気を起こしているという考えである。
その当時の人間には肥満の人はおらず、活動的な生活をしていた。人間の身体の遺伝子は狩猟時代から受け継がれており、その時に食べられていた食品を食べ、活動的な生活をすることによって肥満になることが防げるとするものである。
このパレオ・ダイエットは、高蛋白質、低炭水化物ダイエットであると言える。
乳製品、穀類、加工食品、砂糖、豆類、スターチ、アルコールなどを避け、果物、野菜、脂肪の少ない肉類、海産物、ナッツ類、健康的な脂肪を中心している。
アメリカでは多くのダイエット法が考えられては次第に消えてなくなるが、常に新しいダイエット法が考え出されている。つい最近まではアトキンス・ダイエットという炭水化物をほとんど食べないダイエット法、それに代わった低炭水化物ダイエットがはやっている。
このローカーボ・ダイエットと呼ばれるダイエット法に加えてアメリカで最近はやっているダイエット法にパレオ・ダイエットがある。その論理は、人間は大昔の狩猟時代には現在飲まれている牛や羊の乳や乳製品、あるいは農作穀類、加工食品特に加糖食品などは食べなかった。現代に作り出された食品は人間の身体には合わないもので、肥満、糖尿病、ガン、その他の病気を起こしているという考えである。
その当時の人間には肥満の人はおらず、活動的な生活をしていた。人間の身体の遺伝子は狩猟時代から受け継がれており、その時に食べられていた食品を食べ、活動的な生活をすることによって肥満になることが防げるとするものである。
このパレオ・ダイエットは、高蛋白質、低炭水化物ダイエットであると言える。
乳製品、穀類、加工食品、砂糖、豆類、スターチ、アルコールなどを避け、果物、野菜、脂肪の少ない肉類、海産物、ナッツ類、健康的な脂肪を中心している。
パレオ・ダイエットのダイエット効果を調べた研究も最近されている。Nutrients(doi:10.3390/nu8050314)に掲載されている研究では、パレオ・ダイエットを4週間続けた健康的な女性では、体重が4.3%、腹囲が3.8%減少し、パレオ・ダイエット以外の他の食事法(オーストラリアの健康な食事ガイド―肉、果物、野菜、豆類および乳製品をバランスよく取るというもの)をしたグループでは、1.6%の減量と1.9%の腹囲減少で、パレオ・ダイエットのほうが効果的であるとしている。
今回の研究結果は、これまでのパレオ・ダイエットに関する研究結果と一致しており、パレオ・ダイエットグループの減量は、炭水化物からのエネルギー摂取の減少とタンパク質からのエネルギー摂取比率の増加と有意に関係していた。しかしながら、パレオ・ダイエットでは、不可欠な微量栄養素(ヨウ素、ナトリウムおよびカルシウム)の摂取量が減り、チアミン、リボフラビンの摂取量も有意に減少すること、また、ビタミンC、ベータカロチン、ビタミンA、ビタミンE、葉酸および鉄も減少していた。
体重および栄養素摂取量で変化があったにも関わらず、今回の研究では心血管や代謝に関わるリスク因子が両グループ間で差異がなかった。しかしながらこのダイエット法での長期の健康への影響はさらなる研究が必要とされる。
パレオ・ダイエットは原則的には生の食品を中心とした食事をするのであるが、最近は加工食品にも多くのパレオ・ダイエット製品が出されている。
パレオ・ダイエットの位置づけしている食品市場は、昨年から今年の5月末までの1年間で、自然食品店などの販路では売上123.4%増の7憶6,800万ドルであった。
従来販路では、パレオ飲食品売上の伸び率が218%増と最も高かった(5億5,800万ドル)。そして、スペシャルティーグルメ販路では、その売上が131.2%増の440万ドルであった。パレオ飲食品の売上をカテゴリー別で見ると、プロテイン・サプリメントとミールリプレイスメントが1,244%増の1憶ドルとなり、貯蔵安定性のあるジャーキーやミートスナックは81%増の2,130万ドル、貯蔵安定性のあるウェルネス・バーやゼリーは358%増の1,800万ドル、冷凍オントレーは426%増の1,390万ドルであった。
また、パレオ・ダイエットを支持する人が避けるようなクラッカーやクリスプブレッドもパレオの位置づけがある製品の売上が420%増の660万ドルになり、チップス、プレッツェルなどでも、その売上が180%増の550万ドルとなった。
最近、市場に見られるパレオ・ダイエット製品をいくつか挙げてみよう。
写真1はCaveman Foods社のスナック製品"Caveman Bites"である。商品名からしていかにもパレオ・ダイエット商品である。
鶏肉から作られている小さな四角のスナックで、"Sun-dried Tomato and Kale","Applewood Smoked BBQ","Habanero Green Chili"の3つのフレーバーがある。この1袋(71g)には30gのタンパク質が含まれている。保存料や合成添加物は使っていない。"Paleo Certified"と説明には書いており、袋の前面には"Paleo Inspired"と表示している。
Julian Bakery社は"Paleo Protein Bar"(写真2)を12種類のフレーバーで出しており、これらには卵白粉末、オーガニックの植物タンパク、草食の牛の肉のタンパクなどを使っており、1本のバーで20gのタンパク質が入っている。
砂糖を使わずモンクフルーツ甘味料を使っている。
グラノーラでもパレオ・ダイエットに合う成分を使った製品も出されている。The Paleo Peopleという会社は、アーモンド、レーズン、パンプキンの種、ココナッツ油、ココナッツ、ペカン、クルミ、細粉した亜麻の種、カカオの実、天然フレーバー、スパイスからなる穀類を使わないグラノーラ"Cacao Nut"(写真3)を出している。
Bob's Red Mills社は穀類製品を出している会社で、パレオ・ダイエット用の"Paleo Baking Flour"(写真4)を出している。この成分は、アーモンド粉、アロールート・スターチ、ココナッツ粉、タピオカ粉である。これでマフィン、クッキー、ケーキ、フラット・ブレッド、クラッカー、クイック・ブレッド、パンケーキ、ピッザ・クラストが作れる。
このようにパレオ・ダイエットではナッツ類がよく使われる。ナッツはもともと健康的な食品で、タンパク源、脂肪源としても利用できる。日本でもナッツの健康性を生かした製品の開発がさらにされることを期待する。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
著者:吉田隆夫プロフィールを見る