まめ知識/まめ知識トップ/最近の注目される食の傾向
2018.01.15
最近の注目される食の傾向
最近日本に長く滞在する機会が多く、日本の食を堪能している。確かに日本食は繊細で見た目にきれいでおいしいものが多い。懐石料理などは世界でもどこにもないような食である。寿司やしゃぶしゃぶ、なべ料理、魚料理はやはり日本で楽しめる食事である。普段はアメリカに住んでいるので、和洋折衷のような食事をしている。住んでいる町はワシントン州シアトル市の東側、ワシントン湖を渡ったベルビュー市である。家のすぐ近くにはマイクロソフト社があり、ハイテクの町でもある。シアトルは海産物が多いのであるが、魚でよく食べるのはサーモンくらいでたまにはタラなどの白身の魚を食べるくらいである。やはり、鶏肉、牛肉、豚肉が主なタンパク源になる。筆者の食事はさておいて、アメリカ人は普段何を食べているのであろうか。数十年前のアメリカの家庭では、夕食には家族全員が揃ってテーブルについてお祈りをしてから、お皿に盛った料理を回して自分の皿にとって食べる。食べるものも肉料理、野菜の湯がいたもの、サイドディッシュ、パンなどが並ぶ。こうした風景はすでに過去のもので、食文化は大きく変化している。アメリカ人といっても現在では多くの人種の混ざった国で、食事内容も多種多様である。10年くらい前にアメリカ人家庭の食事調査をしたことがある。それを見ると一般のアメリカ人家庭での食事は非常に質素であることが分かった。あまり料理をしないアメリカ人は簡単にできる料理や、冷凍、冷蔵あるいは温かい調理済みの食品を買ってきたものを温めてあるいはそのまま食べることが多い。ピザ、パスタやメキシカン料理も余り手間がかからないので結構食事に出てくる。ハンバーガーやピザは店で買ってきて夕食として家族で食べることも多い。野菜は最近では洗ってパックしたサラダ製品などがあるので、それにドレッシングをかけて食べることが多い。要するに食事の準備にはあまり時間をかけないのである。最近、アメリカの食生活にはいくつかの顕著な傾向がある。その中のミール・キット製品、食の植物化、スナックについて書いてみよう。
ミール・キット製品


食の植物化

スナッキング
スナックは日本語ではおやつと訳されるが、最近のアメリカ人のスナックはおやつというより、食事間の食という意味になってきている。つまりアメリカ人は1回の食事の量を減らして、食事の間の間食を増やしているのである。スナックは伝統的なクッキー、チョコレートやチップスからバー、フルーツ、ナッツ、チーズ、ヨーグルト、野菜、パンやサンドイッチ、その他の食品群に拡大してきている。スナックの中でもバー製品は他のスナック製品に比べて2倍以上の伸びを見せており、これからもさらに伸びるものと考えられている。バー製品(このコラムにも書いた)はこの10年間ほどで2倍の市場になっている。バー製品は持ち運びできるスナックとして、あるいは食事の一部として伸びているのである。またスナック市場は最近健康志向が強くなっている。例えば、炭水化物系のスナックからタンパク系のスナックが増えていることである。Hillshire Farmsの鶏肉のスナック製品(写真4)や、Kraft Foodsはデリ肉の入ったスナック/キット製品 “P3” (写真5)を販売している。Hormel Foods社も缶詰肉製品の “SPAM” のスナック用製品 “SPAM Snacks” (写真6)を出している。これらはタンパク質を摂取するスナックとして若い人達が買っている。シリアル会社もシリアルの売り上げが下がっているのを引き上げるために、シリアルをスナックとして食べられるようにした製品をだしている。例えば、Kellogg社はシリアルの “Fruit Loops” (写真7)や “Krave” をカップに入れた製品を出してスナックとして出している。野菜、果物でもスナックとしての新製品が出されている。例えば、リンゴをカットしたものとディップをキットにした スナック製品(写真8)や、野菜をカットして同じようにディップをつけたキット製品などが出されている。また野菜をチップスにした製品も増えている。例えば、パースニップス(シロニンジン)をフレンチフライのようにフライした製品(写真9)などもある。ポテトチップスは油が使われており、ジャンクフードに入れられているが、野菜を使ったチップス(写真10)、あるいは豆を使ってフライしないチップスなどがより健康的なスナックとして増えてきている。こうしたスナックの健康指向はこれからも続き、今後のスナック市場は面白くなるであろう

©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
